2015年10月17日土曜日

繰り返される建築偽装問題。問題の根本は。。

Jr.です。

すっかり秋です。工場内も過ごしやすくなり、稼働率も上がってさあこれから頑張ってと思ったら、スクラップの下落。仕事の低迷。。

世の中の動きはわからないものです。。

しかし時間は待ってくれない。短納期加工をこなしながら、弊社も前を向いて業務に邁進しております。弊社を信頼して頂いているお得意先にはいつも感謝しております。信頼されている分、手を抜かずに弊社作業員も常に仕事に忠実に取り組んでいます。


週末、また嫌なニュースがありました。


横浜のマンション。傾き始めていることに気づき、よくよく調べてみれば基礎に使う杭打ちデータの改ざんをしていて、数本が支持層に届いていないとのこと。さらに80本の杭のコンクリート量自体が不十分だったとのこと。呆れてものが言えません。。


材料加工業者として一番懸念されるのが、「データの改ざん」という部分。


過去にも有名な耐震偽装事件など、建築偽装問題が出るたびに、審査規制などが厳しくなり、材料に対するトレーサビリティもかなりチェック項目が増えて事務作業が複雑化しています。問題が出るたびに、厳しい審査項目が増えると、逆にどうにかしてその厳しい審査をすりぬけてやろうかと考える業者も増えます。

なぜそう考えるかというと、とてつもなく事務手続きに時間がかかり、到底工期に収めることができなくなるからです。通常、偽装問題が発覚する前は工期に余裕があり、審査なども単純でした。しかし、昨今では工業技術の発展もありますが、作業が迅速化し、工期がかなり厳しくなっています。それ自体はいいことなのですが、偽装問題によって審査基準も厳しくなり逆に単純だった審査が複雑化し、製品検査などの事務作業が増えて、皮肉にも短くなった工期に間に合わなくなっています。しかも、検査の部分は工賃にほとんど含まれませんので、かなり手間に感じてしまう業者が多いのは事実です。


皮肉にも厳しくなった規制、短縮された工期が、携わる人の心を蝕んで今回の偽装を生んだともいえるのです。


民主党政権からリーマンショック以降、長い長い低迷を続けていた建築業界ですが、ここ数年は好調を持続しています。仕事の絶対量が増えたわけでもなく、業者が減ったことによる部分が大きいのです。個人的な見解ですが、丁寧にきっちりとした仕事をしていた会社のほとんどが潰れていき、残った業者は、安価でも数をこなしていく業者が多くをしめ、安全は二の次で、業績ばかりを気にする業者が残った感じがします。

そして私はあの頃懸念しました。

きっと今から建てられる大口の物件は、信頼できないものが増えるのではないかと。やはり結果は最悪の方へ行っているような気がします。


職人と呼ばれる人の多くは、団塊の世代にたくさんいました。しかし、すでにそんな方々はリタイヤしている人がほとんどです。マニュアルに縛られた人間が、逆にマニュアルを利用して改ざんを行う。正確な技術を先人たちから教わって磨くことがない分、不正を磨く方向に進んでいる。本当の問題は、やはりそこではないかと思うのです。


今回の事件の原因として短工期による焦りと資材高騰がにわかに囁かれています。私は腹立たしく思います。原因究明を正確にしないので、同じようなことが繰り返されるのです。いつも泣かされているのは直接建物に携わっている業者です。請負業者は、過去の反省をまったくいかさない。それは、やはり不正を磨くことにシフトチェンジしたからに他なりません。逃れようとすることばかりを考えずに、真摯に問題を追求することこそ、繰り返される建築偽装問題を解決する唯一の手段ではないかと思います。